万年二位の親友、トリンプ
トリンプとワコール、国内二大下着シェアのこの二社とどちらとより親友になるべきか、ある一定の年齢を超えれば、悩ましい。
しかしこれは幸せな、贅沢な悩みである。
万年二位の我が親友、スペック然り、お値段然り。デザインはともかく、この幸せな二択は、私がワコールのお膝元に越してくるまで、完全にトリンプと腕を組んだ状態であった。
判官贔屓、二位に肩入れする私の性格だけがその理由はない。とにかくコスパがよかったのだ。
デザインが豊富であるし、その割にはお値段が控えめ。しっかり下着デビューの当時、補完力はあまり重要視しなかった。勿論手洗いで優しく付き合うと、もつこともつこと早7年。多少てろてろ感があるが、愛おしくて捨てられない。
地産地消がモットーのせいで、潔くワコールに乗り換えてしまったわけであるが、やはり長年の親友は強い。現に、当時のトリンプと新しいワコール、現在結局両刀遣いできてしまっている。
トリンプについて思うところがないわけではない。
某美人女優をイメージに据えたのは痛かった。
おそらく大部分のファンがそう思っていたはずだ。あの人と同じ下着を買うなどと、あまりにナルシスティック、あまりに自意識過剰。
否、自信過剰。
買った後で知ったと言い訳をし、その後は同じ商品ではないため無視を決め込んだ。私は限定品が気に入って買ったのだ。
それに比べてワコールは良かった。某人類最強女性がイメージである。彼女が使えて私が使えないわけあろう。文句なしの安心印だ。
だが、かつての親友が瞼の裏にちらつくことがある。
ワコールはやはりお値段が一回り違うのは大きいが、スペック重視のため、さほどデザインがきゅんとこないことが大きい。なのでつけていても洗っていても、トリンプの当初よりはわくわくが長続きしないのだ。
万年二位だと思っていたが、もしかしたら“わくわく”は価値が高かったのではないかと思って次買うのはトリンプにしようかなとブレブレの私であるが、実はこの二社を梯子したことがないのである。
否、買うまで比べたことがないとは買い物上手失格。まずはトリンプをのぞき、次にワコールをのぞけばよいのだ。
そうすればその瞬間の幸せは約束されるわけだし、買った後は、より充足感のある生活が保証されるだろう。
二人の大切な親友たち、しかし古い友は宝という。